生きた人間が、別の生きた人間の前に立ち、何かを伝えようとするならば、花のような内部の充実をもって、花のようにその場にある事ができなければ、作品のコンセプトやアイディアがどんなによく出来ていても、生のことは伝わらない。つまりは死の事も伝わらない。生と死が伝わらなければ愛の事も伝わらない。
〜「花についての雑考」ひだまこーし
:ウェブマガジン アパートメント http://apartment-home.net/bokuzen/column/201210-201211/2012/11/15/%e8%8a%b1%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e3%81%ae%e9%9b%91%e8%80%83/
喜びを自分のために曲げるものは
翼がある生命を滅ぼすが、
通り過ぎる喜びに接吻するものは
永遠の日差しに生きる。
〜William Blake
この世界では物として残ることが永遠ではない。
〜岡本太郎
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びして、久しくとどまりたる例なし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし。
~鴨長明
空間によって宇宙は私を包み、思考によって私は宇宙を包む
~パスカル
〈仏法が日本国民の生活に及ぼした恩沢が、もしただひとつであったとするならば、それはわれわれに死者を愛することを教えた点である。供養さえすれば幽霊も怖くはないことを知って、われわれははじめて厲鬼(れいき)駆逐の手を緩め、同じ夏冬の終わりの季節をもって、親しかった人びとの魂を迎える日と定めえたのである。合邦の浄瑠璃にもあるごとく、血縁の深い者ほど死ねば恐ろしくなるものだなどといいつつも、墓をめぐって永く慟哭(どうこく)するような、やさしい自然の情をあらわしうることになったのも、この宗教のおかげと言わねばならない〉
~柳田国男
愛するものを失った人はだれでも、その季節をよく思い出します。光、花、香りなどを。喪と季節とのあいだには、対比的な一致があるのです。太陽の光のもとでは、どれほど苦悩を感じてしまうことでしょうか。
~ロラン・バルト
書くという行為は、したがって、現実を秩序づける営みというよりはむしろ、現実を発見する営みだ。そのプロセスによって、人は物と、物の名とのあいだにわが身を置く。それは、そうした音なき間隙に在って見張りに立つすべであり、物が見られることを ― あたかもはじめて見られるかのように見られることを ― 可能にし、それにつづいて物に名が与えられることを可能にするすべだ。
~『空腹の技法』ポール・オースター
岸に寄せてくるのは波じゃない。一回ごとに海全体が寄せ、海全体が引くんだ。決して単なる波ではない、つねに全てが寄せ、つねにすべてが引く。
~エドモン・ジャベス